11/12(月) 11:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181112-00010000-otekomachi-life
妊娠と仕事
写真はイメージ
「妊娠中、体調不良になっても、仕事を抜けられない」――。こんな思いを抱えて働き、体調を崩す妊婦が後を絶たない。今年4月から随時掲載している「妊娠と仕事」シリーズ。今回は、人繰りに苦慮する職場に焦点をあてて、問題の現状と打開策に迫る。
「お願い、まだ出てこないで」。東京都の女性会社員(29)は今年5月下旬、都内の病院で、強くなる陣痛を抑えようと必死だった。安定期に入っていたが、「今、生まれてしまっては助からない」と、医師から告げられていた。午前3時過ぎ、身長15センチ、体重75グラムで死産となった。
詳細に検査したが、母子ともに問題はなく、過重な働き方が原因と疑われた。医師が経過を記した書類にはこうあった。
「次に妊娠したら、安静にする時間を増やし、仕事を減らしてほしい」
心当たりはあった。女性は従業員約20人の広告会社で働く、ただ一人の編集職。一人で多くの取引先を抱え、休日でも、深夜まで時には立ちっぱなしで仕事をこなす。
妊娠後、常に体が重く、疲れているのに寝付けない。集中力がとぎれがちになり、仕事のスピードが落ちた。
「一人では限界」。上司に何度も訴えた。だが、「無理しなくていいよ」「君しかいないからなあ」などと返すだけで、対策を取ってくれなかった。女性は言う。「休めばいいと言われても、休めばその分、仕事がたまる。代わりがいなければ、休めない」
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